今年20周年を迎える「え」組の遠州浜町さん、おめでとうございます。
遠州浜組の若衆より、依頼を受けまして、
町半纏をひとつ使って、肩掛け書生かばんを作りました。
ことの始めは、凧場で両手が空くバッグが欲しいね、ということでした。
襷(たすき)役員をしているお客様は、初子さんご家族が凧糸を持つとき、
軍手を配る役目があるそうです。
配る軍手は、いつも、腹掛けのどんぶりの中にあって、お腹が出てしまい、
あまり様子がよくない上、動きづらいとのこと。
それでは、肩掛けのカバンなどはいかがでしょう、と話し、
どうせ作るのなら、市販の布でやるのではなく、「え」組の町半纏で
ほどいても構わないものがあれば、それで作ったら面白いのでは、と提案。
そのときには、それで話が終わりましたが、いざ作る段になりまして、
ふたがあったほうがいいんじゃないか、柄の取り方はどうしようか、とか、
相談すべきことが出てきてしまって、何度かご足労を頂きました。
その甲斐あって、おもしろいかばんができましたよ。
ふたには「え」組の大紋を配し、本体表は、腰柄の波を使いました。
マチ布も波の部分を。
本体裏側(体に当たるほう)は、袖を一枚使って、無地です。
内袋には、大き目の内ポケットをつけました。
肩掛け紐は、お客様の希望で、別の藍染半纏の襟を使いましたよ。
以前、外した襟がそのまま取ってあったそうです。
写真ではよく見えませんが、紐は、輪に通して縛ってあります。
長さの調整もできますよ。
とっても気に入ってくださったようで、ほっとしています。
作っていても楽しい「半纏で書生かばん」でした。
これをもっと小さく軽い作りにしたら、お祭りのときに斜め掛けする
かばんができるなぁと考えました。
毎年、巾着の紐を長くして、斜めがけしていますが、
開け閉めに少し不便なのと、紐が肩に食い込んで痛いので、改良の
必要がありました。
凧までに時間が取れれば、小さな斜めがけかばんを作ってみようと
思っています。