お彼岸が近づけば

お彼岸が近づけば

義父の墓参りに参りましたら、天林寺境内に彼岸花が咲いていました。

毎年、日めくりを持っているかのように、春秋きちんと約束を守る花。

お彼岸には、ご先祖さまのあの世とこちらが近づくがからか、
亡くなった身内を静かに思い出します。

わたしの父方の祖父母はすでに亡く、もう何年も経つ今でも新鮮に寂しく、
涙が出ます。

祖母は小さいわたしに縫い物や編み物の楽しさを教えてくれました。
祖母の手はいつも縫い針か編み針を持っていて、
家族や自分のものをこしらえていました。

夏には子供に甚平を縫い、冬には家族みんなの靴下を編んくれました。

外で遊ぶより中でじっとしているのが好きだったわたしは、
自然と祖母の手仕事を真似し始めたのでしょう。
年寄りは子供に根気よく教えてくれました。叱られたことは一度もありません。

最も古い記憶は、着物の端切れで、手提げを作ったこと。
黄色の格子柄で友布で持ち手をこしらえて付けたもの。

小さくてトランプくらいしか入らないようなものでしたが、
多分、手作り1号はこれでしょうね。
今、「縫う」ということをしていて、祖母に聞きたいことは山ほどあります。

そばにいれば、わたしの手際を見て、とやかく言うでしょうか。

それとも、黙って笑って見ているでしょうか。

お彼岸には形見のヘラをにぎって聞いてみることにします。


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