三寒四温




猫の重みで目が覚めた。
右側に寝ている主人との間には、はるとちょびが丸くなってわたしの頭を
巻き込んだ猫団子となっている。肩のあたりにちょびが乗っかっている。

左側には、なつがもぐりこんでいた。わたしの脇のくぼみに身を沈め、
すぅすぅと安らかな寝息を立てて眠っている。

ちょびが起きないように、そっと右肩を抜き、なつを落とさないように寝返りを打つ。
少し目を覚ましたなつは、喉を鳴らしてわたしを見上げた。
「おはよう」
主人を起こさないようにささやいて、頭をなでてやる。
幸せそうに再び目をつぶったなつを撫でながら、外気温の低さに目が覚めてきた。

5、4、3、2、1・・。勢いをつけて起きる。
続いて、猫たちが起きた。朝は、お腹が減っているから誰かが起きれば、猫は起きる。
階段を下りて、顔を洗い、騒ぐ猫たちに餌をやる。
神棚にご飯と水を供えて、拍手を打つ。
今日も一日無事に過ごせますよう。神棚の鏡には、自分が映る気がする。

朝食の支度で一日が始まる。
毎朝同じ献立で、同じお味噌汁で、よく飽きないものだ、と我ながら思う。
頂いた葱が、玉子焼きや、味噌汁の中で薫り高い。

毎朝、健康に朝食がおいしいこと、
今朝も主人と顔を合わせたご飯が食べられること、
おいしいお味噌や葱にめぐりあっていること、
普段と変わりないこと。
いろんなことに感謝しながら、毎朝の習慣を繰り返す。

身支度に再び二階へ上がれば、石油温風器の室内温度計が「3」と表示されている。
「3℃!」
今日は暖かくしてお出かけください、と天気予報でも言っていた。

古い家は、外の温度に合わせて冷える。
「行ってきます」
冬に戻った空気が頬に冷たい。
三寒四温の今日は2寒目だな、木曜には崩れて暖かくなるって言ってたし、と
思いながら、自転車にまたがった。


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