立春すぎて
浜松城公園の日本庭園、梅がちらほら咲いていました。毎年、ここの梅を楽しみにしています。
梅は、春を知らせる早番の花。立春をすぎる頃にはちゃんと咲き始めますね。
実家で犬を飼っていました。毎朝、父と二人で散歩をしていました。二人とも仕事があるから、朝6時半には散歩に出かけます。雨がひどく無い限り、散歩に休みはありませんでした。
冬は起きるのも辛かったのですが、家の裏にある梅の木の蕾を眺めながら、春がくるのを楽しみにしていました。
梅が咲けば、間も無く暖かくなる。
蕾がふくらんできた。
白い花びらが見えてきた。
あ、あそこに一輪咲いている!
寒い朝、犬小屋の掃除をしながら、梅の木を見上げては、父と言葉を交わしました。
梅はほのかに香りを放ち、静かに咲いていました。
結婚してから、あの梅の木は、こがれちゃった(根から抜かれてしまった)よ、と母から聞いて、びっくりして裏へ飛んでいった。
裏には駐車場が出来ていました。
梅を残すわけにはいかなかったの?
ごがなきゃ、じゃまだったみたいだよ
あの梅、好きだったのに…
今でも、どこの梅をみても、裏にあったあの梅を想います。
木は、人より永く生きるとばかり思っていた。いつでも会いたいときに会えると思っていた。
裏の土手より上に植わっていたから、花も葉も実も、高くにあって、空を見上げるように眺めていました。
如月の澄んだ青空と、白い小さな花、小さな赤いガク、うねった枝。
浜松城公園の梅の下には、福寿草も咲きますよ。
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