結婚記念日によせて

結婚記念日によせて

5月23日は、わたしたち夫婦の結婚記念日です。
2003年に籍を入れましたので、今年で6年。早いものです。

結婚するまで、いろいろありました。
結婚してからもいろいろありました。

でも、主にそれは私たち夫婦の周りで起こっていることで、
わたしたちは、結婚を決めたときからあまり変わらず、
大したけんかもせず、幸せな毎日をおかげさまで過ごしています。

プロポーズは、平日の昼でした。
主人の家で、お昼に焼きそばをごちそうになっていました。
いつもどおりの昼休み、主人も私も当時の勤め先から一度戻って
食事をしているとき、いきなり主人が
「そろそろ一緒になるか。」
といったのが、プロポーズでした。

わたしは、付き合ってしばらくして、周囲の反対もあって別れることを
考えたこともありました。
でも、どうしても主人以外の人との人生が想像できなかった。
主人は再婚だし、年も15歳も上だし、息子はいるし、周囲が反対するのは
無理もなかったのです。

幼い頃から知っている町内のおじさんにまで、
「あき、村上はやめとけ。お前がつらいだけだ。」
と真剣に反対されたときは、わたしは一体どれだけの人に心配をかけて
いるのだろう、と驚いたものでした。

確かに主人は、結婚を決断するには、あまり条件のいい人ではありませんでした。
では、わたしは条件のいい別の人だったら結婚するのか、と考えました。

毎日毎日、自転車で通勤している間に考えました。
一人になれる時間はその時だけだったからです。
そして、出した結論は、別の人じゃダメだ、ということでした。

どんなに好条件の人が現れても、それは主人とは別の人。
主人にまとわりついている条件は、時間が経てば変わる物もあるし、
この先一生変わらないものもある。
でも、この人の条件を全部取っ払ってしまって、最後に丸裸になったとしても、
この人自身についてきたい。
この人の人生に、わたしが加わることで、この人らしさを取り戻して欲しい、
そう思って、私は心を決めました。

実は、この時点では、この先「結婚」という形が取れるかどうか保障がなかった
のです。でも、わたしはこの人との人生を決めました。
この先、結婚というマスが、私の人生になくても、この人と一緒に過ごす、
と決めていたので、プロポーズされた時には驚いて、
焼きそばを口に半分入れかけたまま、泣いてしまいました。

だから、返事もすぐにはできず、
「もっほ、はいひんふ、はんはえておー(もっと、タイミング、考えてよー)」
「・・・・何言ってるかわからん」
という間抜けなやりとりのあと、何とか焼きそばを飲み込んで、
「はい。よろしくお願いします。」
と涙をぼろぼろこぼしながら返事をしたのを覚えています。


そして、実際に入籍したのは、そこから2年か3年後だったと思います。
私にしてみれば、結婚というマスを通ることよりも、一緒になるか、と
言われたそのことのほうが重要で、この先一緒に暮らしていけるという
約束が取れたときに、もう、結婚したのと同じことでした。

そんな訳で、式もしなくていい、と思っていたし、入籍の日も、特別思い入れは
無かったのです。もともと私たち夫婦は、アニバーサリーに興味なし。(笑)
冬の終わりに、入籍が出来ることになり、すでに凧に向かって動き出していた
私たちは、「まず、凧が終わってからにしよう」と、5月の入籍を予定しました。

凧が終わって、一段落したときに、カレンダーを眺めて、
「じゃぁ、この友引にしよう」と、決めたのが23日。
当時は、暦の勉強もしていなかったですから、日がいいとかよくないとか、
まったく考えず、せめて、どなたかが同じように幸せになれば、と
友引を選んだくらいでした。
意外とその日は、いい日だったのは、最近調べて知りましたが。


式はやらない、と思っていた私たちですが、凧の最中に皆に知れ渡り、
夜の練りで、壇に上げられて、お祝いをされ、
その一年後、凧の仲間が声を掛け合って、披露宴を設けてくれ、
盛大に祝っていただいたのは、ありがたいことでした。

主人の両親には、チマチョゴリを作ってもらい、
わたしの両親には、日本式の結婚写真を撮る段取りをしてもらい、
おかげで、もしも子供が出来たら、素敵な写真をいくつも見せることが出来ます。

主人との生活は、6年経った今でも、結婚前に生活していた頃と何の変わりも無く、
毎日楽しく、会話も尽きることなく、ますます幸せに暮らしています。
長くいることで、分かってきたことも多いし、正すべき所は正して、
お互いがより快適に暮らせるように、と調整して過ごしています。

私たちが平穏な生活をしていることは、我が家の猫を見れば明らかです。
どの子も幸せそうな呆けたお顔をしているでしょう。

そして、主人の両親、私の両親をはじめ、兄弟姉妹が、応援してくれ、
周囲のみなさんのおかげで、今の生活があるのだ、ということを
つくづく痛感しています。
ほんとうに、ありがとうございます。


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この記事へのコメント
結婚記念日おめでとうございます。
大人同士の二人が一緒になり、また新たに二人で積み上げてゆく日々を応援しています。
Posted by イチロー at 2009年05月24日 19:42
イチローさん

ありがとうございます。
これからも変わらず仲良くやっていきます。
Posted by ぶん屋あき at 2009年05月24日 20:49
結婚記念日おめでとうございます。

ぶん屋さんのブログのチマチョゴリすてきでしたよ。

私はもう37年にもなるのですが、多分、娘があきさんと同じ歳かと思います。

(まだ独り者ですが)

私も結婚に際しては3年ほどいろいろあって、昔のことですがこのブログで、あきさんの思いを知って、自分のことを思い出しました。

いつまでも仲良くね。
Posted by けいこさん at 2009年05月24日 21:16
はじめまして。
読んでいて涙が止まらなくて仕方がなかったです。おめでとうございます。
Posted by O at 2009年05月24日 21:53
けいこさん

コメントありがとうございます。

37年ですか、うらやましいです。
わたしたち、結婚何年目まで一緒にいられるか。
これからも仲良くしていきます。ありがとうございます。



Oさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。
泣かしてしまってごめんなさい。
また遊びに来てください。
Posted by ぶん屋あき at 2009年05月25日 09:15
あきさん、結婚記念日おめでとうございます。
ご主人のブログの方も読ませて戴きましたが、
文字を追いながら目頭が熱くなり
自然とポロポロ涙が落ちました。
私も実は今年は人生史上最大の決断の年です。
(あくまでも自分の中での結論というか、けじめですが)
あきさんのおっしゃていたように、
『・・・・・主人以外の人との人生が想像出来なかった。』
というこの言葉。
私も全く同じ事を考えた事があり、
あまり条件の良くない相手。という点においても
本当に今の自分と重なるというか、
共感してしまう部分が多く、尚更込み上げてくる熱い気持ちがありました。

自分の固い気持ちがあっても、
あまりに周囲の反対が強いと、自分の気持ちを押し通すことが
ひどく我儘で自分勝手なことなのだろうか・・・
と自分の気持ちにひどく不安になってしまう事もありました。
でも、だからと言って自分の気持ちを曲げて
他の人と歩む人生は、どうしても想像出来ませんでした。
あきさんの今回の記事を読んで、励まされたような、
改めて自分の気持ちに自信が持てたような気がします。
またまたあきさんには感謝ですw

ご主人の記事で拝見させて戴きましたが、
チマチョゴリも白無垢も、本当に素敵・・・www
あきさん、とても美人なのですね。
Posted by 茶坊 at 2009年05月25日 10:09
茶坊さん

お便りをありがとうございます。

人生史上最大の決断の年を迎えられ、ちょうどわたしの経験が
茶坊さんを励ますことができたようで、嬉しく思っています。

自分は、たった一人では生きていけない。

でも一方で、自分の人生は、自分の命を神様から預かった責任があります。
自分の命が、のびのびと自然に幸せに生きていける環境を常に作るのが、
命を預かった、わたしたち生きている人全ての義務である、と思います。

自分の気持ちを押し通すように思う行動は、端から見て「わがまま」に
映ることもあるでしょう。
でも、わたしの人生の責任を、最終的には誰が取るのかを考えてみてください。
最終的には、自分の心にすでにあった決心を信じました。
それで、正解だった、それだけのことです。

周囲は、わたしのことを心配して、様々なアドバイスをくれました。
その愛情は、ありがたく受け取りましたが、わたしの人生の責任は、
わたしが取る、と決めていましたから、わたしはわたしの心の決定に従いました。
わたしは、わたしが幸せになるために主人が必要でした。

父は激しく反対はしませんでしたが、快く許してくれたわけではありませんでした。
でも、わたしの幸せを一番最初に気づいてくれたのは、父で、
「あきは、あれでよかったな」と母に言ったそうです。

条件は、主に世間のモノサシで測ったもの。
わたしには、わたしの存在をそのままで受け取ってくれる主人がいてくれる、
そのことが重要でした。
条件は、二人で取り組めば、解決することもあるじゃないか、と思えました。
主人のいない人生は、本当に考えられなかったのですよ。

茶坊さんが幸せを積み重ねるきっかけをつかめるよう、祈っています。
幸せは、育むものです。得るものでもない、降ってくるものでもない。
誰かに与えられるものでもない。
自分でゆっくりと育むものです。わたしの幸せは、ゆっくりゆっくり育っています。


写真を褒めてくださってありがとうございます。
土瓶に写っていなくてよかったです。笑
美容師さんにきれいにお化粧していただいて、ありがたかったです。
ほんものは、土瓶ですからたいしたことありませんよ。わははは。
Posted by ぶん屋あき at 2009年05月25日 11:45
あきさん、いつも丁寧なお返事ありがとうございます。

おっしゃる通りだと思います。
私もこの歳になってやっと自分の人生、
というものを真剣により深く考えれるようになりました。
私の家は、ちょっと複雑な家庭環境という事もあって
これまでは、どちらかと言うと親の言う通りに、
親から見ていつもイイ子でいようする気持ちが強く、
反発したり自分の意見をハッキリ伝える事もなく生きてきました。
育ててくれた親への感謝をどう表すか、どう返していったらいいか、
よくよく考えた時、誰の人生でもないたった一度の自分の人生
私が私らしく笑えること、幸せでいられること、
これこそが親への一番の孝行になるのではないかと思いました。

私がいつも笑顔でいられる為になくてはならない存在。
その人こそが自分にとって最良の人生のパートナーなのだと思います。
お互いのそのままの姿を受け止め、理解し合える相手となら
きっとどんな困難も乗り越えていけるはず・・・
そう信じています。

私も白無垢に憧れています。
面長なのできっと似合わないと自分でも分かっておりますが(涙)
(綿帽子をかぶればごまかせるでしょうが、後姿はまさにマッチ棒・・・あははghq)

コメント欄であるにも関わらず、
ついあきさんとのやり取りが嬉しくて楽しくて
文章が長くなってしまいます。
毎度、長々ごめんなさい。
Posted by 茶坊 at 2009年05月25日 13:29
茶坊さん

わたしにも、周囲が作る「いい子のわたし」像に、自分自身が近づこうと
必死に努力していた時期がかつてありました。
共通点があるというのは、こうもどこか惹きあうものか、と思いました。

茶坊さん、お幸せになってくださいね。
白無垢着てくださいね。日本の女性は、白無垢が似合いますよ。
わたしも、立派な面長です。
日本髪のかつらが似合いすぎて、写真館の美容師さんと主人と大爆笑しました。
できた写真を、高校時代から行っている美容師に見せても、大爆笑でした。
余りにも違和感が無さ過ぎるのがおかしかったからです。
たびたび経験できることではないので、思うようにしてくださいね。

綿帽子は、内側の赤いのが顔映りがいい、と、母が指定し、わざわざ
それを探してもらって、被りました。
マッチ棒の茶坊さんのことをお嫁さんに欲しい人なのだから、
お嫁さん姿がマッチ棒でもいいじゃないですか!

お幸せになってください。
Posted by ぶん屋あき at 2009年05月25日 14:04
アキちゃんと会ったあの頃。。たった1泊でいろんな話をしたねぇ
その方に嫁ぎ今をこうして生きているアキちゃんを
ブログを通じてみるたびに、
「あなたが幸せでよかった」と思います。
私はまだまだ人生の大きな決断とやらに直面していないけど、
これからそういうこともあるでしょう。
その時には、このブログをしっかり読みなおして
自分に喝を入れようと思います。

結婚記念日おめでとう。
Posted by あかね at 2009年05月25日 15:53
あかねちゃん

コメントありがとうね。
ほんとにあの短い夜があったから、今のあかねちゃんとの友情があると思ってるよ。
まだ迷っている時だったし、話を聞いてもらえる人も少なくて、ありがたかったわ。

あかねちゃんにも、素敵な人との幸せが間もなく訪れるよう、祈ってます。
Posted by ぶん屋あき at 2009年05月25日 20:40
はじめまして。

すてきなお話で胸がいっぱいとは、このことかと思うぐらいです。

ありがとうございます(●^o^●)
Posted by ちーぼーちーぼー at 2009年06月21日 19:23
ちーぼーさん

はじめまして、ようこそ。

コメントありがとうございます。
実は、ここには書けない話もあったりするのです。

よかったらまた覗きにきてくださいね。
Posted by ぶん屋あき at 2009年06月21日 19:48
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