雌伏(しふく)のとき

しふく【雌伏】将来に活躍の日を期しながら、しばらく他人の支配に
       服して堪えていること。「-10年」対義語:雄飛(ゆうひ)
(広辞苑より)

2009年4月12日の中日新聞にこんな記事があった。
浜松の人材派遣会社で、仕事時間が減ってしまった人材に対し、
「今は雌伏のとき。良い人材をさらに育てる」ために、
 ブラジル人の派遣社員に対し、日本語教室を開いているという。

記事内のこの文字が読めなくて、主人と辞書で首っ引きになって調べた。
「めすぶせ?めぶせ?」「しぶせ?しふく?」
読みのわからない言葉を調べるのは、困難だ。
あてずっぽうの読みで探したのだが、見つけられず、漢和辞典のお出まし。
雌は、つくりが「隹 ふるとり」の8画。
ここから調べて、雌の字の項に、果たして「雌伏」はあった。

対義語が「雄飛」というのもおもしろい。
雌鳥が雄鳥に従い伏す意味から転じているようだ。
出典は「後漢書」(中国 後漢時代を記した歴史書のひとつ)

四字熟語を調べると、出典はだいたいが漢詩に行きつく。
漢詩、苦手でした。歴史も苦手。
だから、Wikipediaで出てきた説明を読んでもよくわからない。

ところで、言葉については、「わかる」というレベルに4段階あるように思う。

1.書いてあるものが読める。
2.音を聞いて書ける。
3.音を聞いて書けて、意味がわかる。
4.使える。

本当に「知っている」と言えるのは、3、4、のレベル。
調べた言葉は、できれば3のレベルまでは保っていきたいものだ。

辞書を引くとき、外語大学時代に先生がこんなことを言っていたのをいつも思い出す。
「辞書を引いたから、覚えたはず、と思わないほうが良い。
 人は、たいてい1つの単語を覚えるまでに7回辞書を引く。
 同じ単語を何度調べても、がっかりするものではない。
 だから、知っている、と思っていても辞書を引きなさい。
 言葉には、あなたの知っている以上の意味がある。」

我が家は、辞書の活躍度は高い。
辞書を引くと、目的の近くにある面白い言葉も一緒に読んでは笑う。
電子辞書では、そういう楽しみがないから、我が家には電子辞書は無い。


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風情のない(2008-09-23 15:45)

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