薬玉文(くすだまもん)は、吉祥文のひとつに数えられ、女児の七五三の祝着の
文様によく用いられるそうです。
先週末は、あいにくのお天気にもかかわらず、七五三のお参りをされる方が
五社神社にたくさんおいででした。
薬玉は、室内の不浄を払い、邪気を避けるために吊るすもの。
端午の節句に菖蒲や蓬をつるし、邪気を祓う風習が平安時代に
中国から伝わりました。
麝香(じゃこう)や沈香(じんこう)をたまにして錦の袋に入れ、
菖蒲や蓬の葉、あるいはその造花を飾りつけ、五色の糸を長く
たらしたものを言います。
折紙や、縮緬細工で作られた薬玉を思い浮かべられる方も
いらっしゃると思います。
美しく華やかなもので、着物の文様にも多く取り入れられるように
なりました。
「久寿玉」の字が当てられることも。
(主人の好きな高山の日本酒の銘柄でもあります。)
薬玉文は、半襟の刺繍にもよく使われているようです。
花丸文のように華やかで、しかも五色の糸が垂れていて、
動きもあるので、柄として好まれたのかもしれません。
先日の、ツワブキが、まるで薬玉のように丸く咲いていましたので、
文様を調べてみました。
参考:株式会社 平凡社出版 長崎 巌監修
「明治・大正・昭和に見る きもの文様図鑑」