ぶん屋の蜻蛉玉簪でも何度かごらんに入れている七宝文様。
小学校の時に、コンパスの練習で描いた柄にこんなのありました。
幾何学文か、宝とつくぐらいだから、吉祥文か。
果たして、七宝文様は、「有職文(ゆうそくもん)うつし」に
分類されるということで、予想ははずれ。
では、有職文とはなんぞや。
【有職文様】
平安時代以来、家核・位階・伝統に相応して公家の装束調度につけた文様。
雲鶴・立涌・小葵・浮線稜・幸菱などがある。
いずれも唐朝の文様を単純化したもの。一般に日本の文様の基調をなす。
岩波新書 広辞苑第六版より
位のある人だけが身に着けることを許された、常紋と解釈します。
七宝は、なかなか気高い文様だったってことになりますね。
公家社会から武家社会になり、江戸の頃には町娘も身に着けられる
文様になっていたでしょう。
近代では、主に地割文様として用いられ、七宝の中に
宝尽くし、花など、さまざまな文様を配して柄としているものも
多く見かけます。
七宝は、紡錘形の縁を四つ結び合わせてできる意匠です。
これを1つの単位として連続してつなぎ合わせた文様を
「七宝つなぎ」といいます。
七宝は、刺し子の図案としてもよく目にしますし、
ルイ・ヴィトンのモノグラムのなかにも
こんな柄がありますね。
モノグラム自体は、日本の着物柄の小紋を題材にしているようです。
そういえば、ルイ・ヴィトンのダミエは、まるっきり
市松文様ですよ。
見慣れた柄も、和柄がもとになっているものも多そうです。
自分の足元にある日本の文化を見つめなおしませんか。