赤毛のアン
モンゴメリが赤毛のアンを生み出してちょうど百周年の今年、
あちこちでこの名前を聞き、いい機会だから読んでみようと思いました。
中学の同級生に古本屋の店主がおりまして、
浜松市中区池町で、「典昭堂」という店を継いでいます。
早速、会社帰りに寄ってみました。
「赤毛のアン、百周年ですってね。読んでみようと思って。」
「今、引き合いが多くて、ちょうど在庫が無いよ。
頼んでおいてあげる。10冊あるけどいい?」
え、赤毛のアンって1冊じゃないの?
シリーズで10冊あるんだよ。僕も読んだわけじゃないけど。
・・・最初の一冊目だけでいい。
かくして、注文しておいた赤毛のアンが届きました。
でも、10冊。
ただ、店主からのメールで、
注文したものがこんなに早く手に入ることは珍しく、あきさんはきっと運がいいんだね、
10冊と言っても全部で500円だから、お買い得、とあったので、
そのメールのお知らせ文が、とても嬉しく、友達の親しみが
込められていて、心に響いたので、すっかりシリーズで読んでみようと
思い直しての購入となりました。
果たして、今1冊目の赤毛のアンを読んでおります。
とっても面白くやめられず、10冊全部頂いて正解でした。
10代の頃チャレンジして、あまりにも遅々として進まぬストーリーに
嫌気が差して途中で投げ出してしまった物語だったのに、
細かい情景描写が、いきいきと私の脳裏にグリーンゲイブルズを映し出し、
プリンスエドワード島がどんなに素晴らしいところかを、アンから聞き、
想像癖のあるアンの魅力に、マリラと共に引き込まれている自分がいます。
手に入れた本は、村岡花子訳だが、さまざまな人が訳しているようで、
原文も読んでみたいと思わせます。
(ただ、アンの想像の中に出てくる古めかしい厳かな言葉は難解そうで
遠慮したい気持ちもあるが)
若い頃読解力があれば、こういう本をたくさん読んでいて、
今と違う自分があるのかもしれないと思うけれど、
今の自分が、こういう本を読んで、いいと思えるその幸せを感じています。
本の素晴らしさは、読み手の頭の中に、本を開きさえすれば、いつでも
劇場を設えることができること。
そして、自分の成長で、繰り広げられる舞台は、配役やセットを変え、
いつでも新鮮に響いてくる。
今日はアンとの会話はここまで。眠ることにします。
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