赤毛のアン

ぶん屋あき

2008年11月29日 01:14



モンゴメリが赤毛のアンを生み出してちょうど百周年の今年、
あちこちでこの名前を聞き、いい機会だから読んでみようと思いました。


中学の同級生に古本屋の店主がおりまして、
浜松市中区池町で、「典昭堂」という店を継いでいます。
早速、会社帰りに寄ってみました。

「赤毛のアン、百周年ですってね。読んでみようと思って。」
「今、引き合いが多くて、ちょうど在庫が無いよ。
 頼んでおいてあげる。10冊あるけどいい?」

え、赤毛のアンって1冊じゃないの?

シリーズで10冊あるんだよ。僕も読んだわけじゃないけど。

・・・最初の一冊目だけでいい。

かくして、注文しておいた赤毛のアンが届きました。
でも、10冊。

ただ、店主からのメールで、
注文したものがこんなに早く手に入ることは珍しく、あきさんはきっと運がいいんだね、
10冊と言っても全部で500円だから、お買い得、とあったので、
そのメールのお知らせ文が、とても嬉しく、友達の親しみが
込められていて、心に響いたので、すっかりシリーズで読んでみようと
思い直しての購入となりました。

果たして、今1冊目の赤毛のアンを読んでおります。
とっても面白くやめられず、10冊全部頂いて正解でした。

10代の頃チャレンジして、あまりにも遅々として進まぬストーリーに
嫌気が差して途中で投げ出してしまった物語だったのに、
細かい情景描写が、いきいきと私の脳裏にグリーンゲイブルズを映し出し、
プリンスエドワード島がどんなに素晴らしいところかを、アンから聞き、
想像癖のあるアンの魅力に、マリラと共に引き込まれている自分がいます。

手に入れた本は、村岡花子訳だが、さまざまな人が訳しているようで、
原文も読んでみたいと思わせます。
(ただ、アンの想像の中に出てくる古めかしい厳かな言葉は難解そうで
遠慮したい気持ちもあるが)

若い頃読解力があれば、こういう本をたくさん読んでいて、
今と違う自分があるのかもしれないと思うけれど、
今の自分が、こういう本を読んで、いいと思えるその幸せを感じています。

本の素晴らしさは、読み手の頭の中に、本を開きさえすれば、いつでも
劇場を設えることができること。
そして、自分の成長で、繰り広げられる舞台は、配役やセットを変え、
いつでも新鮮に響いてくる。

今日はアンとの会話はここまで。眠ることにします。
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