ぶん屋のお針箱（旧）

2006年の誕生日には、全く同じ作りのバングルを誂えてくれました。
両方左手にはめています。
わたしは、指が太くて指輪向きの手じゃなくて、映えないのが残念ですが、
大切なお気に入りです。

ときどき、自分の左手を眺めながら、幸せだなぁと思います。

選んで買ってきたものにも、それなりに思い出はあるでしょうが、
世に二つと無いものを誂えて持っていると、それを作ったときの事を
文字通り昨日のように思い出します。

行って、見て、選んで、買う、のと違い、
相談して、行って、伝えて、頼んで、待って、出来上がりを確認して代金を払ってくる。

どんなものにするか、相談しているときも楽しいし、
お店の人にうまく伝わったか、出来てくるまでそわそわします。
それに、頼んでから出来るまで待っている間がまた楽しい。

手に入れてから、眺めてまた嬉しい。
手に入れてからの日々もまた、思い出になって行きます。

私の生活に、もうキラキラしたものはあまり必要ない。
最近はピアスでさえも、しなくなっています。
蜻蛉玉の簪と、指輪とバングル。結婚前にもらったネックレス。
私の定番はそんなところです。

数は少なくても、どれも大切な思い出の詰まったもの。
そして、物としてもちゃんと価値のあるもの。
その上、世に二つと無いもの。

あれもこれも欲しい時期は過ぎました。

ほんのぽっちりでも、わたしだけのために作られたものが手元にある。
そんな贅沢なこと、ほかにあるでしょうか。