本物を知る

本物を知る


家を建てるとき、「うちは『普通』でいいわ。予算のこともあるし」という方が多いそう。
今の『普通』と一昔前の『普通』では、使用する材料がまったく違うのだそうです。

一昔前の普通であれば、自然素材を使った「呼吸する住宅」になるのですが、
イマドキの普通でお願いすると、呼吸しそうもない住宅ができあがるそうですよ。

どういう違いがあるのでしょうか。

例えば、フローリングの床。

一昔前であれば、丸太から板を削りだして床の材料としますから、
節があったり、木目もそれぞれだったりします。古民家の床を想像してみてください。
イマドキの床材は、なんと木をかつら剥きしたものを平らにし、木目が書かれた紙を
接着剤で貼ったものなんだそうです。

それから、壁紙。

一昔前であれば、布製(だからクロスというのだそうです)です。
イマドキの壁紙は、ビニール製が主だそうです。

お次は畳。

畳の芯は、藁(わら)でできているのが本当ですが、今は、木屑を固めたもので
代用している場合があるとのこと。また、畳表も、ビニール製のものが出回って
いるのだそうです。

イマドキの素材は、初期費用は安いが、メンテナンスの周期が短く、結果として
費用はかかる。
さらに、呼吸をしている家に比べて、家そのものも寿命が短そうにも思います。

でも、一生に一度買うかどうかの家の材料を、素人が学ぶのは難しいというものです。
では、どうしたら本物の家をお値打ちに買うことができるでしょうか。

それは、誠実な業者に頼むこと。その一言に尽きます。

呉服の世界でも同じです。
呉服は、和服でもあり、日本の民族衣装であるはずなのに、呉服を買う機会は
いまやあまり多くありません。
そして、今、呉服業界の業者も、「安く売りやすいもの」や「売れるもの」に流れ、
「本物だが値が張るもの」は、売りにくい、と決めつけて、商売をしていることが
多いように思います。

消費者は、苦労して稼いだお金で、できる限りいいものを手に入れたいと思っている。
わたしもそうです。
とはいえ、なんでもかんでも勉強して、良し悪しを見極められるようになってから
購入するのでは、あまりにも手間と時間がかかりすぎる。
そうなると、信用できるお店を探すことになります。

本物を売っているお店は、必ず勉強しています。
京都の呉服問屋を訪ねたときに、どうして本物が少ないのか、と憤りを覚え、
(主人が毎回出張のたびに怒って帰ってくる意味が分かりました。)
どうしてこんなふうになってしまったのかをずっと考えていました。

売れるものを作っていた。とは余りにもお粗末な言い訳ではないでしょうか。
業界人たるもの、本物を学んで、お客様に本物とはどういうものであるかを
ご案内し、本物を提供するのが誠意と考えます。

ぶん屋では、できる限り本物をご提供していきます。
物に見合った価格、というのも是非ご一考ください。
高い=いいもの、とは限らない時代になってしまいました。
安い=悪いもの、とは限らないのです。

世に出回っているものは、必ず素材費と加工費が原価として発生しています。
そこに、お店の存続のための費用(利益)が乗っているのが価格です。
そのうちのどれが法外でも、結果は法外な値段になります。

適正価格、というのは、それらのバランスが取れたものです。
世に出回っているものが、法外であれば、そこを基準にすると、
本物でも安い(本当はそちらが適正価格であったとしても)と思うものが
存在することになります。

値段だけが、本物を知るためのモノサシではないことを、十分ご承知おきくださいませ。



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この記事へのコメント
信用のできるお店に、、、、本当にそのとおりですね。

半田山の成功祈ってます、そのあとお店のほうで展示会とか、時間があったらまたお伺いしますね。
Posted by けいこさん at 2008年11月22日 09:25
けいこさん

コメントありがとうございます。
いろいろ考えると、結局はひとつの結論に落ち着くように思います。
本物を学び、提供できるように精進します。

展示会の準備が徐々に進んでいます。
風邪で一日ふいにしましたから、今日は動きますよー。
Posted by ぶん屋あき at 2008年11月23日 10:12
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    コメント(2)