さくらの下に女の子がひとり

さくらの下に女の子がひとり

あちこちで桜の花がほころび始めました。
いよいよ春です。
週末は暖かい連休でした。日曜の今日は雨で残念でしたが、
金曜・土曜はお天気もよく、お出かけになった方も多かったのでは。


ぶん屋の営業を終わって、主人と買い物に行きました。
帰りに、わたしの卒業した小学校の裏道を通りますと、すでに3分咲き。
この道は、桜のトンネルになっています。
わたしの浜松のお勧め桜スポットのひとつです。

小学校では、掃除の時間というのがあって、縦割りで掃除分担があり、
掃除場所に行けば、6年生の班長さんが待っていました。
班長が、出席を取って、班長の指示のもと、持ち場の掃除をする、というもの。

だいたい、どこの班も1年生から6年生までの10人くらい。
掃除場所は、各教室から校庭まで、多岐に渡ります。
人気の無いのは、職員室。
逆に人気なのは、人気(ひとけ)の無い特別教室。音楽室とか理科室とか。
それから、穴場なのは、何箇所かに割り振られた校庭の隅っこです。

「北庭」という掃除場所がありました。
それは、校舎の北側で、桜の木がずらーっと植わっていて、
すぐに金網があり、その向こうは道路、というところ。
先生の見回りもほとんど無く、普段人が入るところではないので、ゴミもありません。
掃除が大変な時期といえば、桜の散る春と、落ち葉の秋くらいなものでした。

4年生のとき、北庭の掃除が当たりました。
一緒の掃除場所だった女の子と、いつもしゃがんで掃除をしている振りで
しゃべっていました。班長も6年生の男子で、みんなで遊んでいた掃除場所。

その春も、こんもりと積もった桜の花びらを、イシミに手でがさがさと
かき込むような掃除でした。

同級生の女の子が、いきなりにっこりとして立ち上がり、
山盛りの桜の花びらを両手ですくって、空へ投げました。
急いでその下に立って
「さくらの下に女の子が一人!」と叫びます。

その様子がきれいなのと、楽しそうなので、北庭掃除の女の子がみんな
まねします。
「さくらの下に女の子が一人っ!」

桜の花びらが舞い落ちるまでに、言い切らないといけないような
暗黙のルールで、早口に一気に言います。
「さくらの下に女の子が一人っ!」


今では、桜の時期が早くなってしまって、北庭に桜の花びらが山盛り積もるのは、
春休みの真っ最中でしょう。
掃除場所が決まるまでに待ちきれなくて、きっと先生方が掃除してしまうかも。

今日も、北庭に咲く桜の下を通りながら、
「さくらの下に女の子が一人・・・」と、そんなことを思い出していました。



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