遠州縞でコースター
コースターのご依頼がありました。
遠州縞と、絆纏の余りきれで、12cm×12cmのコースターを
同柄2枚ずつ、10セット作りました。
作り方は、中表に合わせて返し口を残して四角く縫い、縫い代の角を落として、
表に返し、返し口をコの字綴じで閉じました。芯なしで仕上げています。
遠州縞は、織家の多かった遠州地域で、先染めの糸を無駄にしないように、
組み合わせて織られたものです。
そのため、これと同じものを、と言ってもなかなか無く、
偶然の組み合わせを楽しむものでもあったそう。
遠州紬とも言われ、今見直されている織物でもあります。
紬と言っても、それほど厚い織物ではなく、ネップはツブツブの感じです。
裏に合わせた絆纏のあまり切れは、引き染めで、藍ねずもあり、
浅葱もあり、瓶覗きもあり、染める前の生成りもあり。
生地はいずれも「邑織(むらおり)」です。
邑織は、紺屋とぶん屋の共同開発した生地で、縦糸と横糸の太い細いが
ほどよく混ざり、染めた感じが自然にムラになる。
で、村上の「むら」をかけて、「邑織」と名前がつきました。
邑織も紬の一種ですので、裏表の相性は悪くありません。
ぶん屋のはんこも押させていただきました。
刺し子のステッチを入れたり、角にアクセントをつけたりしてよさそうです。
今回は、ご予算に応じて、簡素な作りにいたしました。
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