京都出張を振り返る
高架下の自転車置き場で、雨を避けて営業の車を待つ。
今日は少し肌寒いから、猫はきっと布団で団子になって寝てるな、と思う。
京都出張は、強行軍ながら、濃く、昨夜も二人で反芻して遅くまで
話しこんでしまった。
観光客から、室町へ入ることができたのは、ここ数年。
「一見さんお断り」。
他を排除することにばかり焦点が当てられて、
よくない印象が一人歩きしているが、本当の意味は違う。
今お付き合いのあるお客様を大切にするあまりにできたしきたりは、
おなじ常連客同士、紹介された者同士が親しみをも持つ感覚だった。
京都は、観光地であり、毎日、町全体が不特定多数に見せる舞台とも言える。
舞台と観客のように、「ここから先は入っちゃいけないよ」
と住み分けができていればいいのに、観客が生活圏にまで入り込んでくる。
旅の恥はかき捨て。
日本では、京都に限らず、観光地全体が遊園地と勘違いしているふしがある。
観光客は「おじゃまします…」の精神で訪れるのが善であるのに、
観光地に金を落とす客なのだから、となんでもありを主張するのは違う。
室町は、呉服業界がひしめく西陣とも呼ばれる地区だ。
立派な建物の中や、町屋の中は帯や小物があふれている。
問屋は観光客には縁がないようだが、小売店は、そうは行かない。
「こっから入っちゃいけないよ」と、暗にそういう雰囲気を醸す店もある。
京都へ行く回を重ね、「こっから入っちゃいけないよ」が見えてきた。
ところが、この頃は、そこから先に行ける特別入場券を手にしているように思う。
しかし、まだ会員証は持つまでには至らない。
焦らず、分をわきまえて行こうね、と話した。
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