折形とは

ぶん屋あき

2008年09月24日 12:09



ぶん屋で慶弔道具類を扱うことになり、さまざまな資料を主人と買い求めました。
PHP研究所出版 山根一城著「暮らしに使える『折形』の本」は、その中の1冊です。

折形は、上級武家の間で秘伝として伝えられてきた600年の歴史を持つ
日本独自の文化です。折形は、「折紙つき」、「折り目正しく」という言葉の
由来でもあります。

明治、大正、昭和の時代、女学校や女子師範学校の作法教科書にも
とりあげられていたほど、折形はお辞儀の仕方と同様、
礼法の基本のひとつとして学ばれたものだったようです。
それが、終戦とともに突然その姿を消してしまいました。

私が知っているのは、祝い金は既製品の熨斗袋を購入し、
贈り物は購入したところで包んでもらう、という便利な時代のみです。
折形は、紙も使い分けをします。
紙にも格や位があります。色も純白(または生成り)がもっとも気高く、
最高位のものです。
先方との関係や、自分の地位、進物の中身や金額に応じて選びます。

あまり豪華な熨斗袋に、ささやかなお祝い金ではバランスが取れない、と
現代のマナー本でも見ることができますね。

折形では、中に包まれているものを見せて折り包むのが基本です。
中身が一目でわかりますし、品物は自ら持参し、相手に直接手渡しすることを
基本としているため、「上書き」の必要が生じない、とあります。
確かに、口上を述べながら直接手渡しする進物に上書きは必要なさそうです。

それから、内熨斗、外熨斗を聞かれることがありますね。
わたしは、これまで外熨斗は「どーだー!」と言わんばかりで、好きではなく、
自分で贈り物に熨斗をつけてもらう場合は、必ず「内熨斗」でお願いしていました。
折形を知った今、熨斗の外の包装は、なんのためのものでしょうか。

お世話になった方には、直接出向いてきちんと礼を尽くす。
ちょっとしたお礼は、先方が気兼ねされない方法で、折につけ贈る。

一般に普及している方法が正しいのではない、ということを
折形に触れたことでまたひとつ学びました。

いろんな折形がありますので、ちょっとずつやってみたいと思っています。
まずは、折形に使う紙を揃えなければ。
形を覚えるだけなら懐紙でもいいかな。やってみたら報告いたします。

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