扇子を楽しむ
厳しい残暑の折り、いかがお過ごしでしょうか。
浜松は今日も最高気温30℃とラジオで報じていました。
服装は少しずつ秋を取り入れ初めても、まだまだ夏と変わらない日中の日差しです。
そんな折、扇子をバッグに忍ばせてあると、涼を得ることができます。
扇子は竹と紙でできています。布のものもありますが、本来「紙」です。
竹、紙、絵、要(扇子の骨がかしめてあるところ)の良し悪しが、扇子の価値を決めます。
材料の良し悪しもありますし、デザイン、組み合わせ、作りの良し悪しが
価値を左右します。
ぶん屋の扇子は、信頼の置ける「宮脇賣扇庵」のものを扱っています。
扇子の楽しさは、まず、バッグから出すところから始まります。
最初に目に触れるのは、竹の骨。
薄茶色で艶があるものは最も一般的ですが、
煤竹(すすたけ)や、焼き竹を使ってあれば、おっ、と目に止まります。
漆塗りに家紋を蒔絵で入れたのもの、螺鈿の入ったものもございます。
そして開きますと、絵が描かれています。
お気に入りの図柄の扇子が手に入れば、開いて扇ぐたびに気分がよろしい。
絵の無い渋を塗った「竜馬扇」もございますよ。
絵は、宮脇のものは、全て職人の手書きです。
日本画で、草花が描かれています。
扇ぐとふんわりと「じゃこう」の香りもいたしまして優雅なものです。
扇子は、取りだしから開け閉め、扇ぐしぐさまでが周りにも涼しさを届けます。
閉めるときの「ぱちん」という音も、様子がいいものです。
一つ目の扇子をお持ちになったら、しばらく開け閉めの練習をしましょう。
わたしは、数日練習しまして、恥ずかしくないようになりました。
練習のおかげで、扇子のほうも、要が少し慣れて、開け閉めが軽くなります。
これで、緩んでこないのがさすがの扇子です。
余談ですが、「肝心要」の要は、扇子の要です。
締めるときの「ぱちん」の音は、いい扇子のしるしですね。
扇子は扇げりゃなんでもいい、という了見は寂しい。
持って扇いでいる人を飾るものですから、アクセサリーやバッグと同じように
あなたを表す小道具として、是非よい扇子をお持ちください。
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