ぶん屋で慶弔道具類を扱うことになり、さまざまな資料を主人と買い求めました。
PHP研究所出版 山根一城著「暮らしに使える『折形』の本」は、その中の1冊です。
折形は、上級武家の間で秘伝として伝えられてきた600年の歴史を持つ
日本独自の文化です。折形は、「折紙つき」、「折り目正しく」という言葉の
由来でもあります。
明治、大正、昭和の時代、女学校や女子師範学校の作法教科書にも
とりあげられていたほど、折形はお辞儀の仕方と同様、
礼法の基本のひとつとして学ばれたものだったようです。
それが、終戦とともに突然その姿を消してしまいました。
私が知っているのは、祝い金は既製品の熨斗袋を購入し、
贈り物は購入したところで包んでもらう、という便利な時代のみです。