遠州弁ネイティブスピーカーの皆さん、こんにちは。
「遠州弁を考える」の時間です。
学生時代、友達が泊まりに来たときに「枕かう?(枕使う?)」と聞いたら
「かうのは犬だけ」と言われました。
今回は、この「枕をかう」について考えてみます。
あれ、枕はかうじゃんか、というネイティブの皆さん、ありがとうございます。
枕はかうものです。腕枕をかってうたた寝したり、
ちょっとぐらぐらする机の脚にも板をかってバランスを整えたりします。
この状況は、
「不安定なものを、安定させるため、もしくはその不安定を生んでいる
不ぞろいな高さを揃えるために下から補足するもの」
と説明できます。
枕も、寝るときに首が不安定になるため、かいますし、
ぐらぐらの机だけでなく、不安定な地面に置いてある植木鉢も
板をかってもらっているのを見かけます。
ところで、鍵もかうものですね。
「玄関の戸をたって、鍵かってよ」
と、言われても意味のわからない他所から見えたお嫁さんもいらっしゃるでしょう。
戸をたつ、は引き戸にしか使わない気がします。
ドアは「たつ」と言わないです。閉める、です。
雨戸や、引き戸の窓やふすま、玄関などの場合「たつ」を使って
閉めるを表わします。
さらに、そこへ鍵をかける場合には「かう」を使います。
同じ建具を「たつ」と「閉める」にわざわざ区別して使うのに、
枕も、犬も、猫も、鍵も「かう」遠州人なのでした。