東西南北を使った道案内

遠州弁ネイティブスピーカーの皆様、こんにちは。

「遠州弁を考える」の時間がやってまいりました。

浜松地区の人が、ある場所への行き方を説明する場合、東西南北を使います。
よく考えてみれば、知らない土地で東西南北を把握するのは困難なこと。

なのに、なぜでしょう。浜松独特の方法だと思います。

街中からぶん屋への行き方を説明してみましょう。



「市役所の前の太い道を、ちぃっと北へまっつぐ行くと、
 すぐホテルコンコルドが西にあるだん、知ってる?
 その次の交差点で、六間道路と交わるだけが、その信号を東へ行くだよ。
 そうそう、下池の交差点で、六間に入るの。

 そうすると、すぐに二俣街道とぶつかる信号があるだけど、わかる?
 その信号を北へ入るだよ。東っかぁに「みどりや」んあるじゃんね。
 今年カキ氷食べてないやぁ・・・。
 んで、静銀が西っかぁにあるだけどさ、
 ぶん屋は静銀のもう一本西の北向きの一方通行にあるだけん、
 駐車場ん無いだよ。
 だけん、二俣街道をもうちぃっと北へ行くと、
 平野美術館の前に100円パーキングんできただよ。
 そこんさぁへ車止めてくと便利だに。 静銀に止めちゃだめだに。」
(敬称略。申し訳ありません。ドライブ感重視しました)

という具合です。

主要道路の名前が出てくることや、道が太いという表現や、
「ぶつかる」という表現、このあたりも遠州地区の特性です。
(道は、太いよりも広い、が標準らしい。それと、ぶつかったら進めない(笑)。)

道のりを説明するとき、なぜ東西南北を使うのかは、諸説ありますが、
わたしは、道がまっつぐ走っていないからだと思っています。
浜松では、北へ向かっているつもりで走っていても、
いつの間にか、がんこ東へいざなわれていることもまれではありません。

道はえごえごしている浜松でも、東西南北は普遍なものなので、
左右のようにその方がどちらを向いているかによって
反対を示すものとは違い、誤りは生じなくなります。
(注:えごえごも遠州弁です)


「どちらから見えますか」と尋ねれば、ぶん屋へお越しのお客様が
南から見えるのか、北から見えるのかで説明を変えることができます。

もうひとつの理由は、海が南、山が北、とすごく分かりやすい基準が
あるからだと思います。
外へ出てきょろきょろすれば、遠くに山が見える方が北。
何もない方が海で南。

今は、高い建物ばかりで、山も海も見えなくなりました。
浜松へお越しの方には、まず東西南北を教えて差し上げてください。




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この記事へのコメント
こんばんは。

あきさんの記事読んでたら
笑えたや~
私らがいっつも喋ってる言葉がほとんど遠州弁だら^^

知らなかったや~
Posted by おかあちゃん0124おかあちゃん0124 at 2008年09月17日 00:58
おかあちゃん0124さん

おはようございます。コメントありがとうございます。

笑っていただけてよかったや〜♪

まだまだシリーズ続きますから、お楽しみに!

ネイティブスピーカーのみなさんには、自信をもって遠州弁を守っていただきたいです。
方言ってあったかいと思いませんか。
Posted by ぶん屋あき at 2008年09月17日 06:37
はじめまして!
とはいっても、実はがま口をオーダーした事がある「かこ」と申します。

もうびっくり!
「えごえご」が遠州弁だなんて」!

我が家を建てるとき建築家の先生が「えごえご」を連発されていたんですよ。
天井まわりに、段差のようなデザインを施したのですが
それがいわゆる「えごえご」と呼ばれていました。
こちらの出身ではない私達夫婦は、この先生独自の擬音だと思っていました。
もう目からうろこ・・・のような気分で興奮のあまりコメントさせていただきました。
「曲がっている」のような意味でいいのですか??
Posted by かこ at 2008年09月17日 10:54
かこさん

コメントありがとうございます。

その節はありがとうございました。
がま口の具合はいかがでしょう。
万一、不具合あれば直しますのでおっしゃってくださいませね。

「えごえご」立派な遠州弁です。
ぐにゃぐにゃと曲がりくねった、ジグザグの、という感じですね。
段差のデザイン、えごえごしてそうですね!
道自体が曲がりくねっていても、道は真っ直ぐでも道のりがジグザグでも
(曲がる行為が多いこと)えごえご使います。

すばやさを表す、「ちゃっちゃと」、ぬかるみを表す「じゅるい」、
ぐずぐずしている「しょろしょろ」など、擬音、擬態語も豊富な
遠州弁をこれからもよろしくお願いします。
Posted by ぶん屋あき at 2008年09月17日 11:02
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