遠州七不思議「三度栗」

ぶん屋あき

2008年11月04日 14:21



遠州七不思議、4つめは、秋に三度実のなる栗の木のお話。

弘法大師が説法をして全国行脚していたころ、
お大師様は小笠郡菊川町三沢にさしかかった。
村の子供たちが、おいしそうに栗の実を食べていて、
お腹が空いていたお大師様は、
「ひとつ分けてくれないか」と頼んだ。
子供たちは、「いいよ」と、身なりの貧しいお大師様に、
気前よく差し出した。

村人は、その日暮らしの毎日で、子供たちは食べ物も少なく、
毎年秋には栗をお腹の足しにしていた。
焼き栗にしてあって皮が硬い栗を、ひとつひとつていねいに
むいて食べていた。
お大師様も、子供たちと一緒にむいて食べた。

栗のおかげで元気になったお大師様は、子供たちの頭をなでながら
言った。
「大事な栗をありがとう。来年からこの村の栗は三度実をならせよう」


それから、この村の栗は、毎年秋に三度実がなるようになったそうです。
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